螺旋

螺旋

螺旋

ブックデザイン : 鈴木成一デザイン室
2,200円
上製 616ページ
マットPP

スペインを舞台にした本を巡る物語。物語が本に収まる以前に、人の真ん中で時には焚き火を挟んで『物語る』ことの楽しさを物語った一冊。物語という単語だらけになったが、本の中でも様々なストーリーが展開される。さながら螺旋のように。

カバーは、謎の人気作家トマス・マウド?のシルエットをぼんやり浮かび上がらせたイラストに、くるくると螺旋を含ませたタイトルが大きく入る。帯はグラシコトレーシングペーパーで、古川日出男の推薦文が入っている。ストーリーやテーマ(謎の作家を探す、作家の大河小説、死に向かう日常)の壮大さをうたうデザインなのだろうが、悩める主人公やスペイン北部の田舎町や本への愛をうたうデザインであればミステリー好き以外の人に手にとってもらえたかもしれない。ただ、タイトルから受ける印象や本の厚さからは前者が良いのかも。