羊どろぼう。

ブックデザイン : 清水肇(プリグラフィックス)
装画 : 奈良美智
仮フランス製 312ページ
カバー : タントセレクト、タイトル 浮き出し加工
表紙 : 羊毛紙
帯紙 : タントセレクト


東北関東大震災の翌日に札幌弘栄堂書店さんにて購入。
『なんでもない日、おめでとう』は、ほぼ日手帳を含めて使われる言葉だけれど、しみじみ、ほんとうに、そう思う。

昼には昼を語るための文体があり、
夜には夜を語るための文体がある。
昼のことばで夜は描けないし、
夜のことばで昼を描きたくもないはずだ。
さて、その境界線にわたしはいる。
おやすみなさい。

地震が起きて、原子力発電所の事故が起きるさなか、いつもとかわらない日常をと誰もが言うが、自分の行動の一つ一つに境界線を感じる。なんだか動きがぎこちないような気がするのだ、まるで平均台の上を歩くように。そんな中、おろおろしながら読んでいたら、上の文章で少しばかり納得する。

感情的すぎるのはどうも疲れるからね、カッコつけ過ぎの文章くらいのほうがいいですよ。


本はページの角を丸く仕上げたり、紙の質感を味わえるつくり。
小口は茶色く染めてあり(三方茶という表現で正しいのか自信なし)両手で持ち上げ、眺めてしまいたくなる本になっている。
そして、今まさにそうしているところです。